お分かりいただけたであろうか、、、
昨晩の出来事だ。
夕飯を終え、床に直に敷いたマットレスに寝転がり一息ついていた。
引越しは済んだが、仕事の忙しさを言い訳にベッドフレームをまだ組み立てていないのだ。
夕飯はいつも同じだ。茹でたパスタに市販のソースをかけて食べる。
洗い物は大抵次の日の朝だ。
テレビをつけてはいたが、携帯を眺めていたため何が放送されていたかは覚えていない。
おそらくは日課のように毎晩見ている家のリフォーム番組であっただろう。
ふと視線を感じた。左側からだ。
左側にはクローゼットがある。一人分の洋服をしまうには十分の大きさだ。
衣類の他には、使わなくなった筋トレ用具や昔飼っていた猫のベッドなども置いてある。
換気のために良かれと思い、いつも開け放しの状態にしている。
その開いていたクローゼットを何気なく覗くと
アシンメトリーの前髪をした女がなんとも言えない表情でこちらを覗き返していた。